声量を爆発的にあげる方法
こんばんは、ボイストレーナーの金子太登です。
今回は、声量を爆発的にあげるための方法論を共有します。
大きな声を出そうとしても、ただのうるさい声になる
大きな声を出しているつもりでも、小さな声になってしまう
こんな方にむけた具体的なトレーニング方法を音声解説するので、
じっくり読んでみてくださいね。
まず声量を上げるときに考えること。それは、
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声帯をしっかりとくっつけてあげることです。
声帯とは、声を出すための２枚のパーツですね。
【声帯のイメージ】
この声帯が、まるで拍手をするかのようにくっついたり離れたりして
振動することで声が出るわけですが、
（ざっくり話しているので厳密なツッコミはなしでお願いします）
実は意外にも声帯が離れてしまっている人が多いんですよね。
【声帯が離れている】
声帯が離れているということは、当然声を出しづらくなるわけで、大きな声も出しづらくなってしまいます。
だからこそ、冒頭でお話したように声帯をしっかりとくっつける必要があるわけです。
【声帯がくっついている状態】
ということで、理屈は大丈夫でしょうか。
では、実際に声帯をしっかりとくっつけるためのトレーニング方法にいってみましょう。
【声帯の閉鎖を強めるトレーニング】
思いきり喉を上げて地声を出す。
これだけです。
ペラペラで薄っぺらい変な地声を出せば喉は上がります。一緒にやってみましょう。
【参考音源】
どうですか？いつもより声がバリバリしたらいい感じですね。
なぜこんな奇妙なことをやるのか。解説します。
まず喉を上げると、連動して喉の中にしまわれている声帯が
くっつきやすくなるのです。
声帯がくっつきやすくなれば、大きな声を出しやすくなるのはさっきやった通りですね。
あともう一つの理由は、仮声帯ですね。
声帯の近くには仮声帯というパーツが存在します。
【声帯と仮声帯の位置関係】
喉を上げることで、連動して仮声帯が声帯のサポートに入るようになるので、
より声量を上げやすくなります。
（ちなみに喉を上げるとバリバリしたノイズが入るようになってきますが、
そのバリバリ音は仮声帯が仕事をしている音です）
まとめると、喉を上げることで、
声帯がくっつきやすくなる
さらに仮声帯が声帯のサポートをする （仮声帯はバリバリした音色）
この２つの理由で、喉を上げた変な声を出すということは
声量を上げるためには非常に理にかなっているんです。
よく
「声量には腹式呼吸だ。頑張ってお腹を張り出そう！」
みたいなネット情報が大量に流れているので、必死に腹式発声を練習してしまう方が多いのですが、
実際はほとんどの方の場合、呼吸に問題はないです。
だって９２歳のちょっと歩いただけで息切れしてしまうおじいちゃんの肺活量でも、
圧倒的な歌唱力で歌えるんですから。
だから問題なのは呼吸ではなくて、今回説明したように、
喉の中の声帯が離れてしまっていることが問題になっているのです。
声帯が離れているところに、いくら腹式呼吸で息を調整したとしても、
その息は全て離れた声帯の隙間からすり抜けてしまうのです。
つまり息を大量に使っているのに、そのほとんどが声にならないということです。
非常にもったいないです。
また、これは重要な概念なので、ぜひ覚えて欲しいのですが、
呼吸を改善するから、発声しやすい喉になるのではなくて、
発声しやすい喉に調整するから、呼吸が改善されるのです。
つまり、
喉の機能を根本から高めれば、必要な息の量は
喉が勝手に調整してくれるようになるということです。
お腹を固めたり、一生懸命腹式だとか胸式だとか考えなくても、
究極的には、喉の仕組みが勝手に息の量の調整をやってくれる感覚になります。
そうなると、”結果的に”腹圧がかかるので、
「お腹を使えている」という感覚もこの段階で初めてハッキリと理解できるようになります。
やはり、
お腹から声を出すとか、鼻から声を出すとか、全部そうですが、
結局のところこういう感覚って全部結果論なんです。
技術をきちんと習得して初めて
“後から”理解できることなんです。
だから昔の僕のように、
「腹式発声を意識しなきゃ！！」と、
お腹を張り出したりして、お腹をガチガチに固めたりするのはもうやめて大丈夫ですよ。
おそらく歌いづらくてしかたなかったと思いますが、それももう今日でおさらばです
（当たり前ですが）声は喉から出る。
そして発声を極めて、上手に声を出せるようになれば、
お腹を使う感覚も、鼻を使う感覚も、頭を使う感覚も、全部後から分かるようになる。
この考え方をぜひぜひ頭に刻んでおいてくださいね。
ということで、話がそれましたが、
今回ご紹介したトレーニングを一日５分でもいいです。時間がある時にやってみてください。
数ヶ月後には、劇的に大きな声を出しやすくなっていることを保証します。
追記
「この変な声で歌え！」というわけではありませんので、ご安心ください。
この変な声は”トレーニングとして”わりきってやってくださいね。
普段は普通に歌ってください。それだけで効果を感じられるようになります。
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