ビブラートの習得には〇〇〇〇〇が命
こんにちは、ボイストレーナーの金子です。
昨日までのラインで、ビブラートの正しい練習方法についてお話ししてきました。
ちょっと復習をすると、
・ビブラートは、意識せずとも連続してかかるべき
・そのためには、喉周りの筋肉を柔軟にすべき
こんなお話しでしたね。
これって僕や生徒さんの中では1000万回くらい共有している内容なので、
そこまでの内容かな、と思っていたのですが、
蓋を開けてみたらかなりの反響がありました。
「一生懸命練習してもビブラートができなかった理由がわかりました」
「ナチュラルビブラートを習得したいです」
などなど、温かいメッセージがラインに溢れかえっていたんですね。
やっぱりビブラートで悩んでいる人は多いんだな…と勉強になりましたし、
たくさんメッセージをいただけたのは、本当に嬉しい限りです。
ありがとうございます。
さて、前置きはここまでにして
今日はビブラートを習得できる人とできない人の
“決定的な違い”についてお話ししていきます。
意外かもしれませんが、昨日話したような正しい練習方法をやった場合でも
歌で使える綺麗なナチュラルビブラートをあっさり習得していく人がいる一方で、
いつまで経ってもわざとらしいビブラートから抜け出せない人も
確かにいるのです。
これ、なぜだと思いますか?
才能?センス?年齢?
いいえ。全部違います。
正直、僕は早い段階でこの理由を知っていたから
実践で使えるナチュラルビブラートを習得できましたし、
僕の生徒もどんどんビブラートをマスターしていくことができています。
もちろん、皆さんも知るだけで
ロックシンガーのようなキレのある素早いビブラートから、
ポップスで使う綺麗で自然なビブラートを使いこなせるようになります。
正直、あまり知られていないことなので
話したくないくらいですが、せっかくラインを読んでくれているので書いていきますね。
…
そう。その答えは
ビブラートの練習を始める“タイミング”です。
方法論は当たり前に重要なんですが、それ以上に
適切なタイミングでビブラートを練習し始めることが
鍵なんです。
たとえば
綺麗なナチュラルビブラートを習得したい場合を考えるとき、
喉周りの筋肉が柔軟な時期に
ビブラートの練習を始めるのがベストとされています。
(もちろん細かいタイミングはそれぞれの方の喉の状態によって変わってきますが)
基本的には、ミックスボイスがある程度成長(上達)してきたタイミングで
なおかつミックスが完成する前の時期に
ビブラートの練習を始めるのがいいのです。
これ、めちゃくちゃ重要なことなのでもう一回言いますね。
ミックスボイスが完成する前の時期に始めなきゃいけないのです。
練習を始めるのが遅すぎると手遅れになるのです。
ミックスボイスなどの高音発声のスキルがある程度身についてしまってからだと、
初期に比べて喉の筋肉を柔軟に動かせなくなってくるからですね。
ボイトレってスポーツと似ているんですよ。
たとえば、サッカーで一流を目指そうと思った場合、
柔軟にスキルを吸収できる
5歳〜8歳くらいまでには訓練を始めさせないといけないそうです。
カチコチに頭が固まった大人になってから練習し始めても
もう遅いのです。
ボイトレもこれと一緒です。
もちろんスポーツみたいに、子供の頃に練習し始めたから有利!とか
はありませんが、
明らかにトレーニングを始めるベストタイミング(時期)はあるわけです。
そして、そのタイミングを見逃さないで
バッチリその波に乗って練習をスタートできるかどうかが、成否を分けるんですね。
実際、僕の場合は運良くビブラートの練習を始めるべきベストタイミングを教えてもらえたので、
最高のタイミングでビブラートの練習をすることができました。
だからこそ、ポップスやロックで使えるような綺麗なビブラートを
習得できたと確信してます。
逆にもしこれが
「ビブラートはもうちょっとミックスボイスが上手くなってからやろう♪」
なんて、のんきなことを言ってベストタイミングを逃していたら
今ごろ目も当てられない悲惨な状態になっていたでしょうね。
喉の柔軟性がなくなってからビブラートの練習をすることになっていたわけなので、
演歌みたいなわざとらしいビブラートか、
無理してスピードを速めても、声が小刻みに震えてしまうような
いわゆるちりめんビブラートになっていた可能性が高いです。
どっちにしろそれじゃ歌には使えないし、
無理して使ったとしても、歌が台無しになるほどの破壊力を持っているのでかえって逆効果です。
しかも、ベストなタイミングを逃したあとからでは
もう取り返しがつかないですからね。
つまり、練習のタイミングをミスると
おおげさでもなんでもなく、
生涯にわたってわざとらしい気持ち悪いビブラートしかかけられなくなる可能性が高いのです。
そうなれば、
「うわあ…この人のビブラートくどすぎて、気持ち悪い…」
と、心の底で思われながら歌うことになるわけで。
そんなの僕には絶対に耐えられなかったと思いますし、
そうなっていたらと思うとゾッとします。
だから適切な練習のタイミングを教えてもらえた自分は本当に運がよかったと思います。
もちろん、自分だけ運がよかった!では終わらせたくなくて、
一人でも多くの人に、ビブラートを習得できるタイミングを逃してほしくない。
ベストタイミングの大切さを知ってほしい。
そう思っているので、こうしてお話ししています。
タイミングの話なので、コレコレこうすればOK!とテンプレ的に話しすことは難しいし、
どうしても個別のアドバイスじゃないと
具体的な話ができない部分ではあるのですが、
バチッとベストタイミングでビブラートを練習しはじめることが大事なんだな、
ということだけでも今は頭に入れておいていただけると嬉しいです。
それでは、ありがとうございました。