元の声によっては叶えられない声質もありますか?
こんばんは、ボイストレーナーの金子です。
連日、たくさんの質問をいただきありがとうございます。
で、そのたくさんの質問の中で、
「元の声によっては、叶えられらない声質もあるのですか?」
といった質問がありました。
ようは、元の声質があまりにも酷かったり(ガラガラしている、籠っている、濁ってるなど)
特徴的だと声を魅力的にできない、
あるいは
憧れのシンガーの声に近づけないのか?
という質問ですね。
結論から言えば、
元の声がどんな声でも関係なく魅力的な声質は手に入るし、
理想としている声質があるなら限りなくその声質に近づけることができます。
つまり、生まれ持った素の声が恵まれていなくたって、そんなの1mmも気にならなくなるくらい
声を変えられる、ということです。
なぜなら元の声よりも後天的に変えられる要素の方が、よっぽど大きく声質に影響を与えるからです。
たとえば、オペラ歌手を見てください。
素の声質はみんな違うはずなのに、見事に
みんながみんな、似たような太い声質で歌ってるじゃないですか。
僕もこの前、声楽を長年やってる僕の生徒さんのコンサートに行ってきたのですが、
登場してくるシンガーさんは、ほぼみんな太い声で統一されていて、
詳しくない人から見たら、誰が誰だか分からなくなるレベルでみんな声が似てました。
これは、オペラ歌手がみんな喉を前下に強く引っ張るという、発声のパターンで歌っているから起こることです。
つまり、生まれ持った素の声よりも、後天的に変えられる要素の方が声質の変化に大きなインパクトを与えてるわけです。
他の例でいうと、モノマネシンガーも分かりやすいかなと思います。
彼らは、一つの喉しか持たないにもかかわらず、様々なシンガーの声をそっくりに真似していきます。
僕の好きなモノマネシンガーさんに、青木隆治さんという方がいますが、彼は老若男女、
あらゆる歌手のモノマネを高いクオリティでやってのけます。
ロック系で言えば、ラルクのhydeさん ポップスで言えば平井堅さんや福山雅治さんなど、
あらゆるアーティストの真似をしてます。
これも、ひとえに彼が喉のポジション(位置)を自由に操っているからこそできることです。
喉を前上、前下、後ろ上、後ろ下、、と4方向に操れるのはもちろん、その組み合わせのパターンも徹底的に身体に刻まれている彼だからこそできる芸当です。
こんなふうに、生まれ持った素の声質がどうであれ、声を変える喉のパターンさえ練習してしまえば、ある程度どんな声にも変えることができるし、間違いなく魅力的な声質を手に入れることはできるのです。
もちろん、憧れている声質が素の声と近ければ、声を近づけやすいし、そうでなければ近づけづらい。という側面もあります。
でもそれは、正しい努力で乗り越えられる程度の”誤差”でしかありません。
きちんと声を変えるための喉の使い方、パターンを勉強して練習すれば、誰でも理想の声質を手に入れることはできるのです。
事実、素の声質に恵まれない生徒さんでも、圧倒的に魅力的な声質で歌うことができてます。
たとえば、僕の生徒さんの一人に、ガラガラした声質で悩んでいた人がいました。
彼は、髭男の藤原さんや、ミセスの大森さんのような魅力的な透き通る声に憧れてましたが、
お世辞にも1mmも似ている部分はなく、一般的に見れば絶望的な声をして悩んでたのです。
そこで、僕は彼に声を変えるための全てのパターンを体系化して教えたのです。
喉を〇〇の方向に動かしながら、さらに▼▼のパーツを持ち上げると
オペラチックにならずに、自然な深みのあるイケボにできる。
とか、
喉の××のパーツを〇〇くらい動かすと、結果的にガラガラした声がつるっとした綺麗な声になる。
とか。
ありとあらゆる声が変わるパターンを教えて、その上で魅力的な声を作り上げていったのです。
結果、今では彼は路上ライブを開けば、すぐにワラワラと人が集まるほどの魅力的な歌声で歌える
ようなシンガーとして活躍してます。
Twitterのフォロワーも、5万人を突破し、もはや素人の域を遥かに超える人気ぶりですね。
あるいは、籠った暗い声で悩んでいる生徒さんにも、声質を変えるパターンを教えて、キラキラし
た明るい声になってもらった実例もあります。
喉のパーツを調整したことで、
籠っていて、響きが悪い声質は、ロックが似合うキラキラ輝く明るくて、なおかつ厚みのある声になったのです。
結果として、彼は今ではプロの世界で何千人もの前で眩しいスポットライトを浴びて歌う
プロシンガーとして活躍することができてます。
こんなふうに、どんなに生まれ持った元の声質に恵まれなくても、魅力的な声質を手に入れて活躍
できるシンガーになることは誰でもできるのです。
だからこそ、諦めないで一緒に声を魅力的にしていきましょう。
それではありがとうございました。
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