プロを目指すな!

 

こんにちは、ボイストレーナーの金子です。

 

昨日のことですが、

 

「プロを目指しているのですが、オーディションを受ける勇気がないです。」

 

と、新規の生徒さんから相談を受けました。

 

 

昔、通っていたスクールのボーカルコーチから

 

「そんな歌唱力がないなら”プロを目指すな!”」と怒られて、自信を無くしてしまったのだそうです。

 

 

ただ結論から言うと、「えいや!」とおもいきって

 

オーディションを受けてしまった方がいいと思うんですよ。

 

 

実際、メジャーデビューしている僕の生徒でも、100回以上オーディション受けている方もいますし、

 

何より、挑戦せずに諦めたら生涯にわたって後悔し続けるかもしれませんからね。

 

 

 

僕がここまで挑戦を進めるのは、

 

昔、勇気を出してチャレンジしたからこそ、今の僕があり、

 

今こうして皆さんに教えることができているからです。

 

 

もしチャレンジを恐れていたら、今こうして皆さんの前で教えられていません。

 

 

だから、

 

“チャレンジしないことの恐ろしさ”を誰よりも知っているのです。

 

 

ちょっと個人的な話をさせていただくと、

 

僕は元々

 

とある最大手のボイストレーニングスクールに内定をいただいていて、

 

そのスクールに就職が決まっていたのです。

 

 

 

基本的に、大手のスクールは

決められたカリキュラムに沿って生徒を指導するのが基本なのですが、

 

 

 

僕が就職する予定だった大手のスクールだけは、

 

“一人一人の状態に合わせてオーダーメイドの指導をする”という

 

大手の中では、かなり珍しいコンセプトを掲げていました。

 

 

 

だからこそ、その理念に惚れ込んで就職を志望したのです。

 

 

 

ですが、就職前の研修でスクールでレッスンをしに行ったとき、

 

その理想は見事に打ち砕れました。

 

 

 

まずあろうことか、生徒さんに指導するための

 

凝り固まったカリキュラムがびっしり組まれていました。

 

 

 

そう、そこは“一人一人に合わせたオーダーメイドの

 

指導”なんてやっていなかったのです。

 

 

 

実際、僕ら多くのボーカルコーチたちが、

 

「オリジナルのトレーニング法で生徒さんに指導したいです」

 

とお願いしましたが、

 

 

代表からは、

 

「いいからマニュアル通りにレッスンを進めなさい」の一点張りで返されるだけです。

 

 

 

そんな環境、あまりに酷いと思うのです。

 

 

 

実際、僕の周りにいた同期たちは素晴らしいボーカルコーチばかりでした。

 

 

 

「新しいノウハウを研究し続けて、一人一人に合った最高のレッスンをしたい!」

 

そんな、生徒さん想いの志の高い人間ばかりだったのです。

 

 

 

しかしスクール研修が始まってから1週間もすると、

 

あれだけ目を輝かせて「生徒さんのために頑張りたい!」と

 

言っていた同期たちが、

 

 

死んだ魚の目をして

 

教室に渡されたマニュアル通りに教え続けるマシンのようになっていまし

た。

 

 

そんな将来有望なボーカルコーチたちと、生徒さんたちの可能性をつぶすような

 

ずさんな大手のスクールの管理体制には怒りを感じずにはいられませんでした。

 

 

 

だからこそ、僕はすでに決まっていた内定を辞退し、

 

個人でボイストレーナーとして独立する道を選んだのです。

 

 

 

もちろん、独立するときは

 

「せっかく最大手のスクールに内定をもらったのにもったいない」

 

「個人で指導なんて無理だ」

 

 

周りから、いろいろと言われましたし馬鹿にされました。

 

 

 

ただ、それでも

 

自分の保身だけのために

 

生徒さんにとって害悪でしかないマニュアル通りの画一的な指導なんて、絶対にやりたくない。

 

一人一人の状態に合わせた最高のレッスンを提供したい。

 

 

 

その気持ちだけは、どうしても曲げられなかったのです。

 

そのためには大手だろうが、ぶら下がっているわけにはいかなかったのです。

 

 

 

そして、今ではありがたいことに

 

紅白に出場する第一線で活躍するプロアーティストから、アマチュアの方まで、

 

多くの方にレッスンさせていただいています。

 

 

 

 

もちろん、個人で指導しているわけなので、

 

凝り固まったマニュアルや規約に縛られることも一切ありません。

 

 

 

本当の意味で効果のある手法を学び続け、それをたっぷりと生徒さんに指導できます。

 

 

 

「そんなこと当たり前じゃないか」

 

と思うかもしれませんが、

 

その当たり前をやらせてもらえない環境に縛られて、苦しんでいるボーカルコーチが

 

日本にはたくさんいるのです。

 

 

だからこそ、今僕がおかれている環境がいかにありがたいかを実感しています。

 

 

自分が思い描いていた本来のボイストレーナーとしてあるべき姿に、一歩一歩近づけている自負が

 

あります。

 

 

当時からしたら、今のような状況は想像もできませんでした。

 

 

 

こんな状況にこれたのも、あのとき勇気を出して、

 

就職が決まっていたスクールを飛び出したからです。

 

 

 

だからこそ、

 

今何かに挑戦しようと思っている方は

 

ほんの少しの勇気を持って、はじめの一歩を踏み出してみてほしいです。

 

 

 

公開オーディションを受けるのもいいですし、

 

ボイストレーニングを始めてみるのもいいですし、

 

何か、音楽系のサークルに入って活動を始めてみるのもいいかもしれません。

 

 

 

今の環境から新しい環境に飛び込むのは、怖いかもしれません。

 

でも果敢に挑戦し続けることでしか、きっと夢を掴むことはできません。

 

 

 

“世界一の指導力を持つボイストレーナーになる”

 

 

実は僕も

 

そんな目標をこっそりと胸に隠し持って、毎日レッスンしているんですよ。笑

 

 

 

あなたもきっと素敵な目標があるはずです。

 

その目標に蓋をするのは簡単ですが、それで後悔するぐらいなら

 

はじめの一歩を一緒に踏み出していきましょう。

 

 

それでは、ありがとうございました。