ミックスボイスを習得したときの話 

 

こんばんは、ボイストレーナーの金子です。

 

今日は、僕がどんなふうに

 

ミックスボイスを習得してきたのか?

 

リアルなところをお話ししていきます。

 

 

本題に入る前に、昨日の講義のおさらいだけサラッと。

 

歌唱力を高めるには、2つのステップがあるわけでしたね。

 

 

① 発声(声の出し方)を固める

 

② 歌の練習をする

 

 

ざっくり言えば、この2つを順番通りにこなしていけば、誰でも歌唱力を高められる、

 

というお話しでした。

 

 

(この順番を逆にしたら、昔の僕のように

 

何をやっても歌が上手くならないので注意してくださいね。)

 

 

では、今回の本題に入っていきましょう。

 

 

まず、ボイトレを始めた頃の話ですが、

 

僕の場合、いわゆる“音痴”からのスタートだったんですね。

 

 

 

しかもこれ、自虐風自慢のなんちゃって音痴じゃなくて、

 

“真正の音痴”ですからね。笑

 

 

 

• 高音が出ない(宇宙戦艦ヤマトが歌えない)

 

•  一定の間隔で手拍子できなくて、ドン引きされる

 

• 一度音程が外れると、嵐のように音程を外しまくる

 

•  抑揚がなくて「お経みたい」と言われる

 

• ピアノに合わせて音程が取れない

 

 

 

僕が歌う時だけ、みんな一斉にトイレに行きます。w

 

(休憩タイム?)

 

 

そのレベル感です。

 

 

ここまでくると、(逆の意味で)すごすぎて理解できない人が大半でしょう。笑

 

 

 

とにかく、あなたの想像のはるか斜め上をいく

 

レベルの低さだったと思ってもらえれば大丈夫です。

 

 

 

で、もはやこのレベルからのスタートだと、

 

正直何から手をつけていいか分からないんですよね。

 

 

もちろん、分からないなりにも、

 

最初は、Youtubeで色々とボイトレの動画を見たり、

 

ボイトレ本を買って練習してみました。

 

 

 

でもそれでも上手くならなかったので、

 

とりあえず、街の一番有名なスクールに通うことにしたんです。

 

設備が綺麗なところに惹かれたのと、有名だから安心だと思ったんですね。

 

 

 

実際、スクールで教えてもらったのは、優しくて人柄のいい先生だったし、

 

説明もわかりやすいから安心できました。

 

 

 

だから、「これなら成長できそうだな」と思ったのですが、

 

それが、どんなに通っても歌が上手くなることはなかったんですよ。

 

 

 

「リラックスして」

 

「お腹から声だそう」

 

「姿勢が悪い」

 

「鼻に響かせよう」

 

「頭に響かせよう」

 

 

 

レッスンに行くたびに、こんなことを教えてもらうんですけど、

 

正直センスのない僕には、

 

言ってることの8割、9割は理解できませんでした。

 

 

 

「お腹から声を出そう」と言われても、ただお腹が固くなるだけで

 

イマイチ感覚が分からないし、

 

鼻に響かせようと思っても、ただの苦しそうな鼻声になるだけです。

 

 

 

「リラックスして高音を出そう」

 

と言われても、喉の力を抜いた瞬間にコロッと声が裏返るし、

 

 

地声と裏声を繋ぐミックスボイスの練習をしても、ただ地声と裏声を行ったり来たりして裏返るだけ。

 

地声と裏声が一本につながる感覚なんて全然分かりませんでした。

 

 

 

こんな一丁前に有名なスクールに通ってるくせに、

 

いつまで経っても歌が上手くならない自分がみじめで恥ずかしかったですね。

 

 

 

一生懸命教えてくれた先生にも申し訳ないと思いました。

 

 

 

で、こんなに頑張ってるのに結果が出ないと、人間だんだんネガティブに

 

なっていくんですよ。

 

 

 

話し声が低いから、何をやっても高音は出ないんじゃないか?とか、

 

音痴は、大人になってからじゃ手遅れなのか?

 

とか。

 

 

 

こんなふうに次々と負の感情が湧いてきて、次第に練習に耐えきれなくなっていました。

 

そしてついに通い続けたスクールを辞めることにしたのです。

 

 

 

そこからは、本当に辛い毎日だったのを思い出します。

 

 

 

テレビやYoutubeで歌の上手いアーティストを見ては、

 

「自分もあんなふうに歌えたら、、」とため息をついてました。

 

 

 

なんというか、

 

なんでこうも不公平なんだろうかと。

 

 

 

もう、こんな辛い毎日を送るくらいなら、

 

歌なんか諦めた方がマシだろ。

 

 

そう思って、何度も何度も歌を諦めようとしました。

 

 

 

Youtubeの音楽系チャンネルは全部見れないよにして、

 

テレビもアーティストが出るような音楽番組は見ないように

 

シャットアウトして。

 

 

 

でも、それでも歌うことを諦めることはできませんでした。

 

 

 

やっぱり歌を歌うことは大好きだし、

 

歌うなら、上手に歌いたいものです。

 

 

 

むしろ、「今度こそ絶対に歌が上手くなりたい」

 

そんな気持ちがふつふつと沸き上がってきました。

 

 

 

そして、そんなある日

 

Twitterを見ていると、

 

あるボイストレーナーのツイートが目に飛び込んできたのです。

 

 

 

正直最初は、「難しいことばっかり話しててよく分からないなー」

 

そんな印象でした。

 

 

 

ただ、よく読んでみると本質的なことを話しているし、

 

理論的でふかく納得できるものが多かったので、

 

 

もしかしたら、この先生は本物なんじゃないか?

 

 

そう思いはじめている自分がいて。

 

 

 

だからこそTwitterでDMを送って

 

先生にダメ元で会いに行ってみることにしました。

 

 

 

そして、体験レッスン当日。

 

 

 

なんと先生が駅に迎えにきてくれると言うので、

 

僕は先生を駅で待っていました。

 

 

それで5分くらい経った頃ですかね。

 

 

とつぜん頭がヒヤッとしたので、

 

空を見上げると、灰色の空からポツポツと雨が降ってきて。

 

 

 

「あー傘忘れた。最悪だー」

 

そんなことを、つぶやいた時だったと思います。

 

 

何やら、めっちゃデカイ男の人がこっちにむかって歩いてくるんですよ。w

 

 

 

身長は余裕の180cmオーバー、ガッチリした体型。

 

そして、浴衣にサンダル。

 

そんな大男が前から傘をさして歩いてくるんです。笑

 

 

 

一発で「この人が先生だ」と分かるくらいの凄まじいオーラを放ってました。

 

 

 

そして、僕の前で足を止めた彼は、

 

「こんにちは、金子くんかな?」

 

と挨拶をしてくれまして。

 

 

 

その声はずっしりとした深みのある声で、

 

そして、壁にヒビが入るんじゃないかと思うくらいの響きがあったので、

 

すっかりビビってしまいました。

 

 

 

そしてレッスン場に移動してからは、

 

そんなビビりまくりの僕を前に、

 

先生はボイストレーニングの本質をゆっくりと話してくれたんですね。

 

 

 

「君、手の指を一本ずつバラバラに曲げられるか?

 

曲げられないだろう?

 

小指だけを曲げようと思っても、一緒に薬指も曲げてしまうだろう?

 

 

 

そんなことが君の喉で起こってるんだよ。

 

つまり僕らの喉のパーツは、ごちゃごちゃに絡まってるんだ。

 

 

だから最初に

 

喉のパーツを全部バラバラに分離するんだ。

 

そしてそのパーツを鍛えて、調整してやるんだよ。」

 

 

 

これを聞いた時、最初は

 

なんだ、そんなことか。と思いました。

 

 

(いやいや、地声と裏声も元から分けて発声できるし、

 

声の分離なんて、たいしたことないでしょ。

 

そんなの僕でも出来るわー。)

 

 

くらいに思ってました。

 

 

でも実際にトレーニングをやってみると、全然できないんですね。これが。

 

 

できない、できない、できない。

 

言われたこと、全部できないづくしでした。

 

 

そこで初めて、自分に足りなかったのは才能でもセンスでもない。

 

 

ミックスボイスを習得するための

 

“土台作り”だったのだと気づいたのです。

 

 

 

実際、先生の生徒さんたちは、

 

みんな土台を固めて、涼しい顔してあっさりとミックスを習得してたし、

 

もともと上手く歌えずに悩んでいた人も、ぐんぐん歌が上手くなっていました。

 

 

 

それに対して、僕は顔を真っ赤にして

 

ひたすら地声と裏声を繋いだり、声を鼻に響かせたり。

 

 

あーでもない、こーでもないと、

 

ずっと、目先のミックスボイスのコツに踊らされてたんですよ。

 

 

土台を固めることの重要さを知らなかったからです。

 

 

 

正直この時、ずっと頑張ってきた方向が間違っていたことが分かって、

 

悔やんでも悔やみきれなかったです。

 

 

 

でもそれと同時に、

 

真っ暗闇のトンネルの中を歩いていた僕に、

 

パーっと一筋の光が差し込んできた気がしました。

 

 

 

こうして僕は、先生のレッスンを受けることを決意したのです。

 

 

そして、レッスンが始まってからは

 

先生の言うことを猿のように真似しました。

 

 

 

唇、喉、地声、裏声、、

 

喉のパーツを、ひとつひとつ分離して、

 

自由に動かせるようにしていく。

 

 

 

そして、バラバラに動かせるようになったパーツを鍛えて、

 

最後に鍛えたパーツを最終調整して、

 

実践で歌える“自由な喉”を作っていく。

 

 

 

この時は、やればやるほど

 

声が出るようになって、最高に楽しかったです。

 

 

 

楽しすぎて

 

いつでもどこでも、時間さえあればボイトレしてましたね。

 

 

 

大学の講義中も、教場の隅っこでひとり

 

小さな声で口ずさんでいたし、

 

駅のホームでも電車が通り過ぎる瞬間を狙って、大声で叫びました。

 

 

 

夜勤の工場バイト中も、頭がもうろうとしながらも

 

床に散らばったにんじんを掃除しながら、裏声の練習をしてました。

 

 

その間も音域は D4→G4 → A#4 → C5 →F5…と、ぐんぐん伸びていって。

 

 

 

大学の講義に行って、帰りにレッスンに寄って、その足で工場の夜勤バイトに行って

 

レッスン代を稼ぐ。

 

 

そんなカオスな生活でしたが、こんなに充実している毎日は初めてでした。

 

 

 

こんなふうにして、

 

先生と知り合ってから、僕は迷うことなくあっさりとミックスボイスを習得できたのです。

 

 

 

そして、ミックスを習得すると

 

体感が楽になって、歌唱に余裕がでます。

 

 

だから今まで高音に向けていた意識を表現に集中できるようになったんですよ。

 

 

結果、

 

声質も良くなり、高音でも楽にビブラートをかけられるようになり、

 

音程も抜群にとりやすくなりました。

 

 

 

こんなふうに、好循環に入ることができたのです。

 

 

 

逆に、もしあのとき発声の土台を固めていなかったらと思うと

 

今でもゾッとします。

 

 

 

当然、今でも高音は死ぬほど苦しかったと思うので、

 

音を当てるだけでヒーヒー言ってたでしょう。

 

 

 

となれば、高音に気をとられて他のことなんて考える余裕もないから

 

まともに音程は取れないし、

 

声質も汚くなり、

 

ビブラートやフェイクをかける余裕もなくなります。

 

 

こんなふうに、悪循環にハマって抜け出せなくなっていたと思うと、

 

かなり怖いのです。

 

 

 

そう思うと、あのとき

 

発声の土台固めを教えてくれた先生には本当に感謝してもしきれません。

 

 

 

こんなにも指導力が高い先生と出会えたのは、

 

正直、かなり運がよかったと思ってます。

 

 

 

話を戻すと、ミックスボイスの習得には発声の土台が必要です。

 

 

ミックス発声に必要な喉の筋肉を整理したり、鍛えたりしていけば、

 

誰でもミックスボイスを習得できます。

 

 

 

だから今までどんなに練習してできなくても、諦めないでください。

 

「自分には才能がないから」と、歌う喜びを捨ててしまわないでください。

 

 

センスのかけらもなかった僕ができたんだから、必ずできます。

 

絶対大丈夫。

 

僕と一緒に発声の土台を固めて、必ず理想通りに歌えるようになりましょう。

 

 

それでは、ありがとうございました。

 

==============

SNS &サービス

==============

 

・プライベートレッスン

 

対面、オンライン(Skype/Zoom)でのマンツーマンレッスンを受け付けております。

 

プライベートレッスン詳細

 

 

・ボイトレ教材

 

ミックスボイスの習得に特化したボイトレ教材です。

 

ミックスボイス養成講座「幹」

 

 

・公式Youtubeチャンネル

 

「自由な喉」をモットーに、着実に歌唱力を高めるためのボイトレ情報を配信しています。

 

Youtubeチャンネル「自由な喉」

 

 

・公式HP

 

当スクール「自由な喉」の公式HPです。

 

公式HP 「自由な喉」