ミックス習得して成長止まった話
こんばんは、ボイストレーナーの金子太登です。
今日は、高音を楽に出せるようになったことで成長がピタッと止まってしまったお話です。
こういう本音のところって、なかなか話したがる人いないと思うし、僕も表で話したくないのですが、
メルマガではガンガン話していきますね。
僕は大学1年からKさんについて真剣にボイトレを始めて、
2ヶ月くらいたった時には、低音から高音まで声が繋がるいわゆるミックスボイスを習得しました。
ミックスボイスという技術は当然ながら
地声と裏声が自動でズルズルと繋がる仕組みなので、声が裏返ることもなければ、高音で極端に喉が苦しくなることもありません。
だから今まで歌いたいと思っていた曲もほとんど歌えるようになりましたし、
高校の頃からの数少ない友達とカラオケに行った時には、
「は?!なんでそんな高い声でるの?」と驚かれる始末。
もうこなってくるとですね、その時は完全に天狗になりました。笑
でも、これって恐ろしく愚かなことだったんですよね。
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だって、ただただ地声と裏声が自動でズルズル繋がる仕組みをサクッと作っただけなんですから。
歌っている時は、その仕組みが勝手に声を繋いでくれる感覚なので、
別に自分が神業的な喉のコントロールをしているわけでもなんでもありません。
フツーに歌ったらフツーに高い声が出る。その仕組みを作った。
そして、その仕組みに任せてフツーに歌う。
ただそれだけのことなんですよね。
それなのに、当時の僕と言えば
「よっし!!A4(粉雪の「な」)がもはや中低音域に感じる!!w 高音楽勝じゃーん!」
と調子にのっていたのです。
もう、思い出すだけで顔から火が出るほど恥ずかしいです。。
僕の場合、最初に60万ほどポンとレッスンに投じた身なので、
自分でいうのも変な話ですけど、結構な覚悟でボイストレーニングの世界に飛び込んだ方だと思います。
おかげで、カンニングペーパーをみながらテストを解くような感覚だったので、
爆速で楽な高音を手にしたわけですが、
そんな覚悟で挑んだボイトレも、この頃にはどうでもいい理由でレッスンもサボるようになり、
新しい知識を学ぶ意欲は消え去り、新たな情報への投資額は0円。
完全にボイトレを舐めてました。学ばずして成長はない。そのことは誰よりも知っていたはずなのに、です。
当然、そこから声の変化も起こるわけありませんでした。
そしてそんなある日、サークルに顔を出した時のこと。
「あれ、お前の声ってそんな裏声みたいな声だっけ」
とメンバーに言われたんですよね。
その時は、ハンマーでガーンと頭を叩かれたようなショックを受けたものです。
そそくさと家に帰って
自分の録音した声を聞いて、
「うわ。。自分の声ってこんなに薄っぺらくてキンキンした声だったんだ。。」
と改めて自分の弱点が浮き彫りになったのです。
それで、改めて
ミックスボイスはミックスボイスで質を高めて美しい声にしていこう。
そして、ベルティングを新しく習得して、力強い高音も手札にできるようにしよう。
と決意し、上を向いてボイストレーニングをするやる気が戻ってきたんですよね。情けないことに。
で、ベルティングを真剣に訓練し始めて、数ヶ月。
面白いように、グングン地声で出せる音域が伸びていきました。
最初は、地声のように出すと苦しかったE4も、あっさり出せるようになり、
E4→ G4 → B4 → D5… と
地声がそのまま高音に伸びていくような感覚がしたので、面白くてしかたなかったです。
やっぱりミックスだとどこか弱々しくて納得いかなかったところも、ベルティングを習得することで
地声のまま高音を出せるようになったし、
メンバーの声に声が埋もれることもなくなりました。
裏声にならないで高い声を出したい!と思っている人は多いですが、
知識さえあればおそらくあなたが思っているより100倍簡単です。
ミックスもベルティングも、その仕組みの作り方を知識として知らない人が多すぎるだけですからね。
でもそれを目標にしちゃうと、僕のように成長がストップしてしまうし、燃え尽き症候群になっちゃってあまりにももったいです。
僕の場合運よく目が覚めましたけどね。
だからなんでもいいので、歌が上手くなった後に本当にやりたいこと、成し遂げたいことを明確に頭の中でイメージしながら
ボイトレをしていくことが大事だと思うんです。
ライブで、多くのお客さんを涙させるほど感動させる
子供にかっこよく歌っているところを見せる
Youtubeで有名な歌い手になって、たくさんのコメントをもらって幸せに生きる
本当になんでもいいんですよね。ちなみにこれ、全部僕の生徒さんが叶えた夢です。w
高い技術を習得したその先に本当に心からやりたいことを常に考えておきましょう。
そして、常に高いモチベーションを保って、一気に高い歌唱力の世界に足を踏み入れましょう!
それでは!