声質を変える方法

 

 

こんにちは、ボイストレーナーの金子です。

 

今日は声質を変える方法を解説します。

 

 

今回このテーマに触れようと思ったのは、

 

僕自身がずっと“声質の悪さ”で悩んできたからです。

 

 

初めて自分の声を録音した時は衝撃的でしたね。

 

 

録音した声をおそるおそる聞いてみたら、

 

変声期前の少年みたいな、声が高いのか低いのか

 

よく分からないオカマみたいな変な声だったんですよ。w

 

 

 

“声質は生まれつきのものだから、変えられない”

 

そう思いこんでたので、ショックで絶望してました。

 

 

ただ、結論から言うと声質は変えられます。

 

 

 

喉はいろんな方向に動かすことができるんですね。

 

で、その動かす方向によって、別人レベルに声質がガラッと変わるんですよ。

 

 

具体的には、

 

• 前上方向(鼻方向) 

 

• 前下方向(胸方向) 

 

• 後ろ上方向 (後頭部方向) 

 

• 後ろ下方向 (うなじ方向)

 

この4つの方向に動かすことができます。

 

 

一緒に喉を動かして、

 

まずは大げさでいいからガツンと声質を変えてみましょう。

 

 

【前上方向】

 

 

平べったいペラペラした変な声で「イ」と声を出してみましょう。

 

 

【参考音源:前上 (地声)】

 

 

【参考音源:前上(裏声)】

 

 

 

母音「イ」が喉が上がりやすい口の形とされてるので、

 

なるべく口は「い」の形をキープすることに意注意してみてください。

 

 

【前下方向】

 

 

ボビーオロゴンみたいな野太い声で「オ」と声を出してみましょう。

 

 

【参考音源:前下(地声)】

 

 

【参考音源:前下(裏声)】

 

 

 

これも、母音「オ」が喉を下げやすい口の形と言われているので、

 

口の形が変わらないように注意してください。

 

特に「イ」だったり、「エ」に変わると、喉が上がりやすくなるので最悪です。笑

 

 

【後ろ上方向】

 

後頭部(軟口蓋)めがけて、母音「ア」で声を出します。

 

情けない薄っぺらい声でOKです。

 

 

【参考音源:後ろ上(地声)】

 

 

【参考音源:後ろ上(裏声)】

 

 

【後ろ下方向】

 

 

 

前下と同じで、喉を下げやすい母音「オ」を使います。

 

ただ、前下と違うのは喉を引く方向ですね。

 

今回は、うなじ方向にガッツリ喉を引いてみてください。

 

 

声色は、ほとんど前下と変わりませんが、若干前下より深みが出ます。

 

 

【参考音源:後ろ下(地声)】

 

 

【参考音源:後ろ下(裏声)】

 

 

 

いや、言いたい事はわかりますよ。

 

「こんな声を出したいんじゃない。」と。

 

でも安心してください。

 

 

実際の歌で喉を動かすときは、“ちょっとだけ”動かせばいいんですよ。

 

 

例えば、

 

明るいキラキラした成分が欲しければ、

 

ちょっとだけ喉を前上に動かせばいいし、

 

深みを持たせたければ、ちょっとだけ喉を前下に動かせばいいです。

 

 

【参考音源:歌唱に活かしてみる】

 

 

ここで言う、 が前上寄りで、  が前下寄りですね。

 

明るい声から、若干深みのある声に変わったのが分かると思います。

 

 

そんなふうにして、微調整してもらえれば

 

大袈裟で変な声にならないで、声質を自由に変えることができます。

 

 

ぜひ4つの方向の訓練を続けながら、上の音声みたいに

 

どんどん歌に活かしてみてください。

 

 

もちろん、最初は思うように喉が動かないから難しいです。

 

だから、今すぐ理想の声にならなくても大丈夫です。

 

 

僕も最初はひどかったですよ。

 

 

「音程は合ってるけど、声質が悪いから下手に聞こえる」

 

と、カラオケで友達に笑われてたくらいの濁った気持ち悪い声でした。

 

 

正直そのときは、めちゃくちゃ悔しかったですね。

 

 

それからは自分がボイトレやってるのがバカバカしくなって

 

「元の声が悪いなら、どうせボイトレやったって意味ないじゃん」

 

と、投げやりになったこともありました。

 

 

でもそんな僕でも、喉のポジション取りを

 

徹底的に研究したおかげで、自分好みの声質にすることができたんです。

 

 

だから今どんなに自分の声に自信がなくて、コンプレックスでも大丈夫です。

 

あなた好みの声にできるように、一緒に頑張りましょう。

 

 

それでは、ありがとうございました。

 

補足1

 

声質の変化を歌に活かす時の練習曲は、

 

最初は低めの曲、フレーズで練習することをおすすめします。

 

 

というのも、いきなりバンバン高音が出てくる曲で歌うと、

 

声質を保てなくなって、練習にならないからです。

 

 

実際、「低音だと自分好みの声質で歌えるけど、高音だと気持ち悪い声になる」

 

と悩んでる人は多いです。

 

 

だったら、高音で声質を変えるのは、

 

高音を楽に出せるようになってからの方が効率的です。

 

 

ボイトレを継続してくると、高音にも余裕が出てくるので、

 

徐々に高音でも声質を変える余裕が出てきます。

 

 

その時に、高音の曲に挑戦しましょう。

 

 

補足2

 

「この訓練をしたから、金子と同じ声質になるんじゃないか?」

 

と心配な人もいると思いますが、

 

自分好みの声のバランスに調整すればいいだけなので、

 

全然心配ないですよ。

 

 

僕の声質が嫌いな人もいると思うので、念の為。

 

それでは、ありがとうございました。