歌が上手いのに音痴と言われる人たち

 

こんばんは、ボイストレーナーの金子です。

 

 

 

僕の知人に歌唱力は高いのに、歌ヘタ認定されている人がいます。

 

彼は元々、僕と同じように歌が下手なことがめちゃくちゃコンプレックスだったらしいんですよね。

 

 

音程が全く取れなかったり、高音が出なかったり、

 

声が細かったり。

 

 

いろんな悩みを抱えながら歌っていたといいます。

 

 

 

そこで彼は一念発起して

 

ちゃんと正しいボイトレをコツコツ継続して、あらゆる歌唱スキルを身につけていったんですね。

 

 

 

ベルティングに、ミックス、ファルセットミックスに、ヘッドボイス、ビブラート、フェイ

 

ク、、、

 

 

 

それはもう、ありとあらゆるスキルを身につけていきました。

 

 

結果、彼の歌唱力はぐんぐん右肩上がりに上がっていったんです。

 

 

ただ残念なことに、それだけ歌唱力が上がったのにもかかわらず、

 

周りの人たちからの評価は散々なものだったんです。

 

 

 

「上手いんだろうけど、なんか魅力がない」

 

「ただ高い声が出るだけ」

 

 

こんな酷い言葉を投げかけられ、めちゃくちゃ落ち込んでましたね。

 

 

 

(業界ではひた隠しにされているので、知らない人も多いと思いますが)

 

 

この彼の事例から分かるとおり

 

歌唱力を上げても、魅力的な歌声にはならない

 

んですよね。実際。

 

 

 

もちろん歌唱力を上げるために、いろんな歌唱スキルを習得していくことは

 

重要なことです。

 

 

 

ベルティングを習得すれば、張りのある高音だって出せるようになるし、

 

ミックスを極めれば、地声と裏声の繋がりがスムーズになります。

 

 

 

こんなふうに、歌唱スキルが上がれば確かに歌声のスペック自体は着実に上がっていくでしょう。

 

 

 

けれど、実はそれ以上に

 

声質を磨いていくことの方が、実は圧倒的に優先度が上なんですよ。

 

 

 

なぜかというと、歌声の”第一印象”を決定づけるのは、

 

何を隠そう声質だからです。

 

 

 

有名な心理学の法則で、

 

メラビアンの法則というものがあります。

 

 

 

人間の第一印象を判断するときの、割合のことで

 

 

 

実に 割もの声質で判断しているんです。

 

 

 

だから声が良ければパッと聞いたときの印象が格段に良くなり、

 

一気に歌が上手くなるわけです。

 

 

 

でもこれって逆も言えるわけで、

 

声がダメなら、パッと聞いたときの歌声の第一印象は最悪になります。

 

 

 

で、第一印象がダメだと、その先の歌唱力やテクニックを一切評価してもらえないんですよ。

 

 

これって、普段の人間関係と似てますよね。

 

 

たとえば、どんなに内面が素晴らしくても

 

髪はボッサボサ、髭ボーボーで、ボロボロの敗れかけた服だったら

 

まずその人の内面を見ようとは思わないじゃないですか。

 

 

 

どれだけ内面が素晴らしくても、外見で一発アウトになると思います。

 

(あくまでも何も知らない初対面の人の話ですからね)

 

 

 

声もそれと同じです。

 

そもそも声に魅力がなかったら、その先の歌唱スキルを評価してもらえないんですよ。

 

 

 

ベルティングができようと、ミックスができようと、ビブラートがかかろうと、

 

それは全部なかったことにされます。

 

 

今までコツコツ努力してきた時間や、これからの努力する時間が全部無駄になるということです。

 

 

 

だから、歌唱スキルばっかり練習させる今のボイトレ業界は

 

本当に良くないなと思いますね。

 

 

 

大事なのは、結局声質なんですから。

 

 

 

だからこそ、今までの歌唱スキルを無駄にしないためにも、

 

トコトン声質を磨いていきましょう。

 

 

それでは、最後まで読んでくれてありがとうございました。

 

 

【大事な補足】

 

 

これを読んでくれた人の中には

 

「とはいえ、声質なんて結局は好みの問題でしょ?」

 

と思う人、チラホラいると思います。

 

 

それ、本当にその通りです。

 

 

声の好みなんて人それぞれなので、全員から好かれる声質を目指すなんて無理です。

 

 

どんなに美人やイケメンでも、全員から好かれるのが無理なのと同じように

 

全員から好かれる声質なんて、そもそもないのです。

 

 

 

だから大事なのは、ある一定層のリスナーに好かれる声質を作っていくことです。

 

 

声質って、無限にあるように思えますけど、なんだかんだ数種類に分類できるんですよ。

 

 

ロック系

 

メタル系

 

歌い手系 & イケボ系(エイベックス系 LDH系)

 

ポップス系

 

 

ざっくりこんな感じですね。

 

(これは僕の直感じゃなくて、ちゃんと発声の面から分けてます。)

 

 

 

で、そのどれかに分類される声質を形成していけば

 

どこかの系統が好きな層からは強烈に支持されるわけです。

 

 

 

だから全員に好かれる声なんて目指さず、一定層に好かれる声を目指すのが大事です。

 

 

 

ただ一方で

 

問題なのは、誰にも刺さらない声質で歌っている人たちが多すぎるということです。

 

 

 

ロック系でもなく、かといってメタル系でもなく、イケボ系でもなく、ポップス系でもない。

 

どこにも当てはまらない声質で歌っている人が多いんですよ。

 

 

 

もちろん、歌ってる本人からしたら、憧れのシンガーと似たような声質で歌おうとしている意識は

 

あるんだと思います。

 

 

でも、実際はどこにも分類されてない…

 

 

そんなケースはアホみたいにあるんです。

 

 

 

そしてこれは、どの層からも好かれない声で歌っている

 

のと同じなので、めちゃくちゃヤバイです。

 

 

 

だからこそ、僕らはどこかしらの層からは強烈に支持されるような声質を作っていきましょう。

 

それについてもガッツリ講座で話すのでお楽しみに。

 

 

募集は、明日の21時です。