地声のまま高音を出す。ベルティングボイスとは？
こんばんは、ボイストレーナーの金子です。
今日は「地声のまま高音を出す方法」を
お話したいと思います。
今回はあえて
ミックスボイスではないですよ。
“地声のまま” 強烈な高音を出す方法です。笑
というのも、
「一生懸命ミックスボイスを練習してるのに、
全然力強い高音にならないです！」
といった質問をたくさんいただくからです。
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例えば
これは１年前くらいにきてくれた僕の生徒さんの話なんですけど。
彼は、GLAYのTERUさんとか西川貴教さんだったり、
ロック系の力強い高音が好きだったんですね。
ただ、彼自身は
ずっと長い間高音が裏声っぽいことに悩んでいたようです。
初めて彼と会ったときに、
「風呂でちっちゃい声で歌う時は、弱々しい高音が出せるんですけど、
カラオケで声量を上げると、声が裏返っちゃうんです」
と言ってましたからね。
ただ、結論から言うと１年近く頑張ってもらって
こうなりました。
【音源：生徒さんの歌声】
（※直撮りらしいので、音質に関しては許してください）
もちろん、まだまだ成長途中ですけどね。
それでも、かなり地声っぽくパワフルに高音を出せるようになってきました。
じゃあどうやって、地声みたいな高音を身につけてもらったか。
答えはシンプルです。
“ベルティングボイス”を習得してもらったのです。
ベルティングボイス、聞いたことありますか？
簡単に言えば、”地声のまま高音を出すテクニック”ですね。
聞けばすぐに違いがわかると思うので、ミックスとベルティングの違いを
聞いてみてください。
【音源：ミックスボイス】
【音源：ベルティングボイス】
（単体で聴くと、どっちも頭おかしい変な声に聞こえるのですが）
それでもミックスに比べて、
ベルティングは地声の延長で
引っ張って高音を出してるのがわかると思います。
もちろんミックスボイスはミックスボイスで
素晴らしい技術なんですよ。
（個人的に、柔らかい高音は大好物です。）
ただ、ミックスボイスは
地声と裏声が「繋がる」ものである以上、
どんなに頑張っても高音の裏声感は消えないんですよね。
だからこそ、彼にはミックスだけじゃなくて、
しっかりと「地声のまま高音を出せる」ベルティングを習得してほしい
と思って練習してもらっているのです。
実際、ベルティングの破壊力は驚異的で、
昨日も彼のライブに呼ばれて行ってきましたけど、
圧巻でしたね。
「マイクいらないんじゃないの？」
って思うくらいの声量で、会場のホールの
壁がビリビリと振動する感じが身体に伝わってくるんですよ。
感情がのった地声感のある高音が、じんわり心に染み渡って、
全身の毛穴がブワーって広がるのがわかるほど、
鳥肌が立ちました。
僕の隣にいたファンの女性とか、ずーっとハンカチ目に当てていましたし、
彼が歌い終わったときなんて
鼓膜が破れるくらいの大歓声に包まれてましたからね。
スポットライトが照らし出す彼の姿は、キラキラと輝いて見えました。
やっぱり地声感のある高音って、
無条件に人の心を揺さぶってしまうテクニックなんですよね。
実際、心揺さぶる歌唱力を持ってるアーティストって、
ベルティングを得意としていることが多いんですよ。
最近のアーティストだったら、
ワンオクの Takaさん
髭男の藤原さん
ミセスの大森さん
King Gnuの 井口さん
などなど。
「もう地声にしか聞こえないじゃん…」
みたいな高音を出すアーティストはもちろん、
結構、サラッと高音を出すアーティストでも、要所要所でベルティングを繰り出しています。
地声のままで裏声の最高音まで高音を叩き出せて、
喉を痛めなくて、
マイクなしで通るくらいの爆発的な声量が出て
声に太さが宿る
人間の心が揺れ動く
いろいろ見てきましたが、こんなスキル
ベルティングボイスくらいじゃないかなと思うのです。
だから、せっかく小難しいこの講座を読んでもらっているからには
確実にベルティングを習得していただきたいなと思ってます。
本当に見える世界が変わります。
間違いなく、聴く人の心を動かす歌が歌えるようになります。
基礎からきちんと理論を学んで練習していくうちに、
習得できるようになるので
安心して、一緒にベルティングを習得しましょう。
明日からもベルティングについてお話ししていきますので、
楽しみにしていてくださいね。
ありがとうございました。
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