地声で高音を出す秘訣。ベルティングボイスとは？

 

 

こんばんは、ボイストレーナーの金子です。

 

 

突然ですが、下の音声を聴いてみてください。

 

【音源】

 

 

（※直撮りらしいので、音質に関しては許してください）

 

 

これ、僕の生徒さんの歌声です。

 

 

元々は、僕と同等のレベル感の音痴だったのですが、

 

最強レベルのシンガーに育ててしまいました。笑

 

 

 

地声感溢れるパワフルな高音。

 

壁にヒビが入るほどの声量。

 

倍音豊かな声の太さ。

 

 

どれをとっても、最高レベルですね。

 

 

（とくに生で彼の歌声を聞くとリアルに鳥肌たちます。）

 

 

 

ただ、現実には

 

彼のように魅力的なパワフルな高音を身につけていく人もいれば、

 

残念なことに

 

いつまで経っても裏声っぽい高音のまま悩んでいる人もいます。

 

 

 

その差は一体なんなのでしょうか。

 

 

才能？センス？骨格？

 

 

全部違います。

 

 

 

いきなり答えを言っちゃうと、

 

ベルティングボイスを身につけているかどうかです。

 

 

 

ベルティングボイスというのは簡単に言えば

 

地声のまま高音を出すスキルですね。

 

 

【音源：ミックスボイス】

 

 

 

【音源：ベルティングボイス】

 

 

 

まあ単体で聴くと、どっちも頭おかしい変な声に聞こえるんですけど、

 

比べてみると一目瞭然、ベルティングの方が地声感があると思います。

 

 

 

話を戻しますが、

 

ベルティングを習得する人はみるみるうちに、

 

歌唱力を高めていけます。

 

 

ベルティングって“パワフルな声の源”なんですよ。

 

 

ちなみにパワフルな声は３つの要素から成り立っています。

 

 

① 地声感

 

② 太さ（声の厚み）

 

③ 声量

 

 

この３つの条件が揃った声を、人間は”パワフルな声”と認識します。

 

 

 

その点で ベルティングを習得すると

 

これら３つの要素を全て満たすことができるのです。

 

 

 

まずベルティングを習得すると地声感が出ます。

 

そして地声感が出ると今度は太さが出ます。

 

 

さらに声の太さは倍音を豊かにするので

 

声量のある声になります。

 

 

 

こんなふうにベルティングを身につけてしまえば

 

力強い高音の条件をポンポンポンっと

 

次々満たしていけるのです。

 

 

 

だからベルティングを習得すると

 

一気に魅力的でパワフルな高音を出せるようになるんですね。

 

 

 

やっぱり、パワフルな高音は多くの人を惹きつけますよ。

 

 

 

冒頭の彼は最近ライブをやり出したみたいですが

 

Twitterで宣伝したらすでにお客さん集まってるほどです。w

 

 

 

数えきれないバンドからオファーがかかってる

 

ボーカルもいますね。

 

 

 

やっぱり、ベルティングを自由自在に扱えるのは

 

希少性高いんですよね。

 

 

 

どこでも活躍できてしまいます。

 

 

 

その一方で、ベルティングを習得してない人たちは

 

高音のインパクトが出せないので、かなり苦戦してる印象です。

 

 

 

特にミックスボイス“しか”習得してないと

 

正直かなり悲惨なことになってますね。

 

 

 

たとえば僕の知り合いに

 

３年間ボイトレして完璧なミックスボイスを習得した人がいます。

 

 

 

余計な喉の力みもないし、

 

何曲でも楽な体感で歌い続けることができる

 

最高レベルのミックスです。

 

 

 

ただ、彼は”高音の弱々しさ”にかなり苦戦してるんですよ。

 

 

 

低音から高音まで弱々しくつながったミックスを

 

パワフルにしようと頑張ってますが、声はずっと裏声っぽいままです。

 

 

 

別に彼にセンスがないわけじゃないです。

 

むしろ僕なんかよりも、よっっっっぽど歌のセンスがあります。w

 

 

 

 

じゃあなぜ力強い高音を出せないのか？というと、

 

彼は ミックスボイスを極めることにこだわってしまったからです。

 

 

 

 

「ミックスボイスを強めていけばきっと地声っぽい高音になる」

 

と信じて ひたすらミックスを強化する道に進んでしまったんですね。

 

 

 

 

ミックスを鼻に響かせたり、

 

ミックスで喉を開いたり、

 

あるいはお腹に力を入れてミックスを出したり。

 

 

 

 

こんなふうに ひたすらミックスを強化することが

 

力強い高音を出すためのたった一つの選択肢だと思い込んしまってたのです。

 

 

 

 

これ、あまり知られてないんですけど

 

ミックスボイスって地声感を出すためのスキルではない

 

んですよね。

 

 

 

それはミックスボイスの定義を確認してみると分かります。

 

 

 

発声学の権威であるフースラーは

 

ミックスボイスを

 

“地声と裏声を繋ぐことができる声”と定義してます。

 

 

 

つまりミックスボイスの高音は裏声なのです。

 

 

 

本来の純粋なミックスは、

 

平井堅さんのようなやわらかい裏声っぽい高音なんですよ。

 

 

 

だから彼がいくらミックスを強化しようとしても

 

力強い高音にならなかったのはある意味当然なのです。

 

 

 

 

こんなふうに、ベルティングの存在を知らない人や、

 

ベルティングの習得をおろそかにしてしまう人たちは

 

 

 

毎日のようにミックスを強化しても、

 

５年１０年とずっと弱い高音に悩み続けてしまうんですね。

 

 

 

じゃあどうすれば地声感を出せるのか？というと

 

繰り返しになりますがベルティングの習得一択です。

 

 

 

ベルティングを習得すれば

 

力強い高音の条件が一気に揃います。

 

 

 

海外シンガーのような太い高音も

 

壁にヒビが入るような声量も

 

感情揺さぶる地声感も

 

 

 

全て手に入りますからね。

 

 

聴く人を圧倒させる魅力的な高音で歌えるようになります。

 

 

 

ベルティングというと難しそうな印象を持つ人が多いと思いますが、

 

別にそんなことはありません。

 

 

 

シンプルに

 

身体全身で歌えるようにすればいいのです。

 

 

 

 

ベルティングは地声で高音を出すわけだから、

 

やっぱり多くのエネルギーを必要とするんですね。

 

 

とても喉だけでは、そのエネルギーを補いきれません。

 

 

 

だから喉だけじゃなくて、

 

身体全身のエネルギーをたっぷり使って、

 

効率よくパワフルな高音を出せばOKという話です。

 

 

 

喉だけに頼るから習得が難しいだけです。

 

身体全身で歌えるように訓練すれば誰でも習得できます。

 

 

 

 

それでは、ありがとうございました。